寄生虫病の獣医療は『とりあえず駆虫薬投与』の時代から『糞便検査に基づいた駆虫薬投与』の時代へ

「糞便検査は負担が大きい」
「駆虫薬の有効性を確認していない」
「いつ駆虫薬を投与すればいいか分からない」

糞便検査は、知識と時間が要求されるため、臨床現場では実施しにくい現実があります。
そのため、多くの臨床現場では、検査を伴わない、定期的な駆虫薬投与が行われてきました。
しかし、そのような盲目的で頻繁な駆虫薬投与は、寄生虫の駆虫薬耐性の出現に繋がり、世界的な問題となっています。

寄生虫の駆虫薬耐性の獲得は、持続的な寄生虫のコントロールを脅かしています。
駆虫薬の選択肢は限られているため、有効な駆虫薬の選択肢を残していくことが重要です。

糞便検査のモニタリングは、有効な駆虫薬の選択と適切な頻度での投与に繋がります。
これは、寄生虫病のリスクを抑えるだけでなく、駆虫薬耐性の出現を遅らせ、大きな費用の削減につながることが期待されます。